近年、どうしてEOLが増加してきているのでしょうか?
電子部品/半導体市場における環境の変化や、それに伴う課題を対策を見ていきたいと思います。
先ず今回は電子部品業界の変化を、部品種別に見ていきましょう。
下記は、2015年から近年までの、レガシー部品群と高額部品群の部品供給量の変化を示した図です。
部品種別のライフサイクルの比較
引用:J-Chipセミナー資料「電子部品/半導体の環境変化とEOLの増加その課題と対策(予防策と対処策)」
2011年頃を目安にレガシー部品群に関しては、日系メーカとアジア系メーカの供給量が逆転しました。
その結果、EOLやカタログ落ちの部品が数多く出てきました。
2010年から2013年のJ-Chipで行われた調査(対象件数34万件/9ヶ月間)によると、2010年はに約1,200点の部品がEOLやカタログ落ちになりましたが、2013年は約7,000点に増加しました。
この様に、日系メーカーとアジア系メーカーのレガシー部品供給バランスが変化が、EOLやカタログ落ちという結果に顕著に表れています。
日系メーカーの供給が減りアジア系メーカーの供給が増えたことで、日系メーカーの部品で代替品を探すことが難しくなり、EOL対策業務にかかる工数が増加していきます。
今後も日系メーカーのレガシー部品の供給は減っていくと考えられており、レガシー部品群に関するEOLは今後も多発することが考えられます。
EOL発生による損失を最小限にするためにも、EOL情報を早期に把握し、代替品調査や評価を行うことが重要になってきます。
EOLによる工数を減らすために、EOL対応部品の在庫を抱えるのは(LastBuy)、結果的に在庫を拡大させ、利益を悪化させてしまう結果になりかねません。
LastBuyと利益悪化との関係性は、また次回以降に書かせていただきます。