今回、前職を定年(60歳)前に早期退職され、60歳を迎えてからJ-Chipにてシルバー人材として働いている”浦山 典久(63)”さんに、お話を伺いました。
定年延長について議論が交わされている昨今、私たちはいつまでどう働いていけばいいのでしょうか?
――J-Chipで働くきっかけ、経緯はどのようなものだったのでしょうか?
私が前職を辞める3年前に、職場の先輩、上司が会社を辞めことになって、その時に「どこに行くんですか?」って聞いたんですね。
そしたら”J-Chipさん”というお返事で、その時にJ-Chipという会社を意識しました。
前職の時に、もう十数年前になりますが、J-Chipと一緒にお仕事をしたことがあるんです。
なので、J-Chipがどういう仕事をやっていたという事は知っていました。
――前職はなぜ辞められたのでしょうか?
定年ギリギリだったんですが、前職で早期退職の話があり59歳と6ヶ月の時に前職を退職しました。
――前職を辞めた後、今後どう”生活”していくか模索されましたか?
やはり仕事はしないとと思って仕事を探してみるんですが、なかなか50歳以上になっちゃうと、もう正社員という就職が殆どなかったという事もあり、今まで自分がしてきた仕事を活かせてるものが見つかりませんでした。
色々求職は出ているんですが、ビルのメンテナンスだったり、自分が全然やった事が無い分野だったり、今までの自分のキャリアが活かせない職種ばっかりだったんですね。
ライフマネージメント、人生設計するにあたってこの年齢でやめてどうだとか、今後はどうしたらいいのか考えていく中で、ここの会社の事はチラチラ頭にありました。
それに、前職での元上司が退職後にJ-Chipで働いていたという事もあったので、J-Chipさんの門を私から叩かせてもらいました。
――J-Chipのどういう所が魅力的だったのでしょうか?
前の仕事を辞めて、違う新しい分野の仕事で苦労するよりは、J-Chipだと同じ流れの仕事をさせて頂けてるので。
ちょっといいなと思う仕事があっても40代までですとか、結局求人があっても若い人を求めてるんですよね。
自分は「60歳だったらまだまだイケる!」と思ってたところがあったんですが、需要と供給が一致しない現実があるんだってことを知りました。
自分がやりたい電気系の仕事だったり調達系の仕事を探してたんですが行き当たりが無くて。
J-Chipで面接を受けて働けるとなったら、もう渡りに船の状態で、J-chip以外の会社は考えなかった部分もあります。
自分のキャリアも活かせるという事で気も楽でしたし、先輩もいましたし、過去にお仕事をしたこともあったので皆さんとの面識もありましたので、そういうご縁でこちらにお世話になることにしました。
――J-Chipではどのような仕事をされているんですか?
主に、EOL調査やカタログ作成のお手伝いをしています。
――J-Chipで働き始めてどれくらい経ちますか?
J-Chipに入ってから三年になります。
――自分の思い描いていたお仕事というのは出来ていますか?
そうですね。一回、会社を辞めてたんですけども…前職でいろいろやってきたんですね。
製品の設計をやって、開発購買をやって、その流れで部品技術的な話もして、最後に調達部門でバイヤーをやってました。
なので、部品に関する一通りの流れをやらせてもらってたんですね。
何をしたいってなった時に、設計業務はやると面白いんですが、もう頭がだいぶ固くなってきてしまっているのもあるし今のデジタル化よりももっとアナログの時の設計だったので、今の設計には追いついていかないので、で、となると、部品に絡む仕事をやりたいなと思っていたので、ほぼほぼ…自分のキャリアを活かせる仕事を頂いているなと思っています。
これをやりたいと思ってJ-Chipに来たというよりも、電子部品に絡む仕事をやりたいなと思って入ったので、そういう意味では自分の思い描いていた感じにはなっています。
J-Chipに入って3年間、同じような流れの仕事をシームレスでやっているので、新しい分野の勉強をする必要もなかったので、ものすごい大変という事もないですし、苦も無く仕事を続けてこれています。
部品の調査だったりをやらせてもらってるんですが、色んな観点から…設計観点、調達の観点、部品の品質の観点だったりというところで見れたので、前の仕事がすごく役になっているので、助かるというか、非常にありがたいことだと思っています。自分としてはラッキーだと思っています。
――今はどのような雇用形態で働いているのでしょうか?
パートタイマーで働いています。
基本的には週5で来ているんですが、パートタイマーなのであんまり時間に縛りが無くて。
――自由に仕事の時間を決められるんでしょうか?
月単位でやらなければならない仕事が決まっているので、それをこなせばいいので、月の中である程度自由裁量で仕事ができます。
自分の都合で「明日は家で仕事をやります。」という事も可能なので、助かっています。
なので、シルバーというか、第二の生活としては自分はとても楽ですね。
正社員って、例えば朝8時半に会社に行って5時半までは定時で、会社で仕事をしなければならないじゃないですか。
例えば午後に予定がある時も、半休を取らなかったら行けなかったり、一日休みを取らなければならなかったりということをしなければならなかったりなんですが、こちらにお世話になってからは、仕事の時間配分を自分裁量で決められるので、場合によっては家でやるという事も可能ですし、早い時間に帰るという事もできます。
月々にこれだけやればいいという事が分かっていると、自分の気分が今までと違って楽ですね。
時間的な縛りが無いので、ありがたいです。
――そうやって自由になる時間で、何か行っていることはありますか?
そういう余暇…空いてる時間に何をするというのは決めていなかったので、何をしてるという事もないんですが…時間が出来るようになってから家の周りの事とが出来るようになったり、運動が好きでやっていたり。
定年になったおじさん達で集まってテニスをしようとすると、借りるコートが平日の方が安かったりするので、平日に集まろうよという事もあるんですね。
そういった時は、仕事の配分をいつもと変えて平日に時間を空けられるようにして、会社にそれを言づけて、時間を作っています。
前に比べて外出が多くなりました。
ちょっと”どこそこの紅葉が綺麗だから”、”あの美術展がやってる”と聞けば、土日だとどうしても混むから平日に行ってみようとしてみたり、フラット出かけるとか、気持ち的に余裕が出来て動けるようになりました。
――プライベートに余裕がでて、楽しまれてるんですね。
15半~16時に退社出来るように仕事をしてることが多いんですが、夏場だとまだ明るいんですね、空が。
会社を起点にして、ちょっと足を延ばしてみようと思う気になるんですね。
家から出ようにすると、ちょっと構えてしまう部分があるので、寄り道感覚で動けるというのはいいですよね。
――時間もそうですが、以前に比べると気持ちにも余裕があるのでしょうか?
正社員だと、いつまでに何を仕上げなければならないというプレッシャーが強かった気がします。
特に、今日とか明日とか、そういう単位での締め切りも多かったので、時間的にも気持ち的にも余裕が作ることが出来なかったんですね。
今の仕事だと今月中にこれをやればいいという形なので、そういう意味で気持ち的にすごくゆとりが出来ました。
なので、仕事帰りにどこかに出掛けようという気にもなっていますね。
――今ご自身のライフワークに合った仕事が出来ているという事ですか?
そうですね。
今よりも仕事量が増えたとしてもまだ頑張れる気持ちも、出来る自信もあるので、それくらい今、余裕をもって仕事もプライベートも過ごせているというのは、良かったなと思っています。
――正社員からパートタイマーになったことで、収入が減ったと思うんですが、そこに対してはどうお考えでしょうか?
収入が減ることに対しては、ある程度覚悟はしていました。
まだ自分では働けると持っているので、もっと多くの仕事をやりたいなという気もしますが、こういう形で自分に合った仕事もさせてもらえてますし、今のライフワークの形が出来ているので、そこはバーターなところでいいのかなと。
それにもう年金も入ってくるようになっちゃいましたしね。
なので、満足しています。
家でブラブラしているよりは、電車に乗って通勤して、仕事をして帰るという流れというのがあるので、気が張ってられる生活が出来ているので、今いい生活をしてるなと思っています。
正社員の時と違って、責任が無いので…もちろん責任感を持ってお仕事をさせてもらってますが、変なプレッシャーが無くなったので、肩の力を抜いて仕事が出来ています。
周りの人もいい人たちですし、会社にいる時の方が楽な時もあります。
やる仕事が決まっているので、それをこなしていけばお給料を頂ける…好きな事をやって、お給料を頂けている所があるので、いい職場だと思っています。
――J-Chipでのお仕事はおいくつまで続けたいですか?
もうこちらが会社にいらないよと言われるまで、私ができる所までやりたいなと。
もちろん趣味がないわけはないんですけど、趣味だけをやってるわけでもないので、やっぱり仕事をしながら生活をしていけるならいいないいなと思ってます。
自分で「もうこれでいいや」と思えるところまで居させていただけるのであれば嬉しいですね。
先輩方にも70代でまだ働いていらっしゃるという話も聞いていますしね。
何もしないでいるよりは、絶対にいいと思うので。やっぱりなんだかんだで頭を使うので、老化防止にも役立つのかなと思います。
――これからやりたいことはありますか?
もうなくなってきちゃいましたね。
ただそうですね…もうちょっと旅行に行きたいなと思っています。
文:山本絵美
シルバーエンジニアについての詳しい情報については、お問い合わせください。