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次世代太陽電池の動向 2021年

現在、地球の大きな気候変動の原因である二酸化炭素削減が急務であり、各国政府が環境・産業構造の変革を含めて取り 組んでいます。

自動車のEV化は欧州では加速度的に進められていて、発電事業では、火力に頼らない 再生可能エネルギーである太陽光・風力・地熱発電への置き換えが進められています。

日本は、残念ながら脱炭素・温暖化対策は後進国であり、依然として電力源を石炭・天然ガス 合計64%に頼っているのが実態で、再生可能エネルギーでは、太陽光発電が7%にとどまっています。

台風が多く発生する日本では、大規模な風力発電は不可能です。 地熱発電は地域限定であり、拡大は望めません。

日本国内の電力源構成(2019年度の年間電力量ベース)

日本国内の電力源構成(2019年度の年間電力量ベース)

そこで近年、太陽電池の新方式を含む技術革新が、各社で取り組まれています。

その中でも注目されている方式が、ペロブスカイト太陽電池です。

出所: 資源エネルギー庁「次世代太陽電池の開発プロジェクト案」

発電素子としてペロブスカイト結晶と呼ばれる化合物を使用しており、製造単価が安く発電効率が高い事より期待される太陽電池です。

ここで太陽電池の各種方式を比較してみました。

太陽電池方式部材/原理変換
効率
価格特徴
シリコン
太陽電池
シリコン(Si)系半導体を
使用している。
7~20%高い耐用年数(寿命)は約20年。
最大の課題は価格と曲げられない点である。
ペロブスカイト
太陽電池
ペロブスカイト系化合物を
使用している。
15%~安い廉価かつ高変換効率に加えて
曲げられる構造“であるため設置自由度が高い。
色素増感型
太陽電池
色素が光を吸収して
発電する仕組。
10~15%安い次世代候補と期待されているが、
近年は研究が停滞しており実用化事例は少ない。

また、ペロブスカイト太陽電池の開発をしているメーカー・研究機関の状況をまとめてみました。

メーカー/研究機関開発状況/その他
パナソニック2020年1月、インクジェット方式て製造したペロブスカイト太陽電池モジュールで変換効率16.09%を達成したと発表。
三菱マテリアル2020年5月、京都大学発のベンチャー企業エネコートテクノロジーズに出資決定。次世代太陽電池部材でのシェア拡大を狙う。
ホシデン2021年4月にペロブスカイト太陽電池事業に参入を発表。2021年内にサンプル提出も発表。
リコー電子&ニチコン&エネコートテクノロジーズ2021年6月、世界で初めてフィルム型ペロブスカイト太陽電池を活用した電子棚札システム開発を報道。
東芝2021年9月に変換効率15.1%を実現したフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開発成功を発表。
積水化学NEDO主導の”太陽光発電の低コストプロジェクト”に参加している。

残念ながら、日本のWW太陽電池市場シェアは2020で僅か1%と低迷しています。

トップは中国で、30%~40%と推測されます(アフリカの実態調査は困難)。

この日本の太陽電池事業挽回と本題である脱炭素社会実現のために、NEDO主導のプロジェクトが推進しています。

また、個別に取組むメーカーも増加しています。

日本政府が発表した2050年までに二酸化炭素排出ゼロ”に向けて、官民一体のタスクフォース体制が必要です。

そして、画期的な次世代太陽電池の早期導入と普及が必要です。

これらの技術革新が無くして二酸化炭素排出ゼロは不可能です。

早期の普及実現を期待する次第です。

次世代太陽電池についてのメーカー情報や評価情報等、詳しい情報については、お問い合わせください。

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